JJYUの沿革と活動理念
我が国のジュニアヨット競技が始動したのは、1964年に開催された東京オリンピックが契機であるとされています。デンマークのヨットクラブから大会ホストクラブの江の島ヨットクラブにOP級ヨット7艇が寄贈されたのを機に、小澤吉太郎先生が中心となり、江の島ヨットクラブにジュニアセクションが誕生したのです。
1974年12月には、小澤先生の教えをより広く深く伝えるために、 JJYUの前身である任意団体「日本少年ヨット連盟」が発足し、ジュニアヨット大会の開催をはじめアジア諸国との海外交流、ワールドユース大会への選手派遣を行うほか、ジュニアヨットクラブ指導者講習会や機関紙の発行など各種のジュニアヨットクラブの指導事業を行って、ジュニアヨットの普及活動を進めてきました。
1991年9月25日、社団法人の認可を得て、特例民法人として新たな一歩を踏み出し、ジュニアヨットクラブの普及活動と競技会開催に関する事業(国際交流日本ジュニアヨットクラブ競技会、ジュニアヨット国際親善東京レガッタ、ジュニアヨット国際親善大阪レガッタ、ジュニアヨットクラブジャンボリー)、諸外国との交流・親善に関する事業(外国チームの招聘事業、海外セーリング研修派遣事業)、ジュニアヨットクラブ指導者の養成、管理運営及び安全確保その他に関する事業、ジュニアヨットクラブに関する広報活動及び刊行物の発行に関する事業、ジュニアヨットクラブの普及活動の推進に関する事業、を柱に活動を行っております。
その後、公益法人制度が改訂され、一般社団法人と公益社団法人に別れることとなり、2021年4月に一般社団法人として改めて認可を受けて活動を継続しています。
我々が活動の理念としてかかげているのが「小澤イズム」です。小澤イズムの根底にはシーマンシップがあります。我々が伝えたいシーマンシップとは、レースでの勝ち負けや順位を競うのではなく、相手を敬い尊重しながら、水辺のスポーツであるセーリングを楽しむ心です。「小澤イズム」が各クラブの指導者を通して全国のジュニアセーラーに浸透し、生涯スポーツとしてのセーリングの輪がもっともっと広がること、私たちの理念により育ったジュニアセーラーが世界の舞台で活躍することがJJYUの願いなのです。
少年ヨット憲章「⼭中湖宣⾔」
- 1.礼儀正しい⼦供になること。
- 1.⾃分の意⾒をはきはき⾔える⼦供になること
- 1.ヨットと⾃然を愛する⼦供になること。
- 1.勉強する⼦供になること。
JJYU の前⾝団体である「⽇本少年ヨット連盟」の第2代会⻑、佐藤⽂⽣元郵政⼤⾂は、初代会⻑の⼩澤吉太郎先⽣の下で副会⻑を務めておられ、⼩澤会⻑の指導⽅針に積極的に協⼒されていたので、会⻑就任後も従来の連盟の⽅針を踏襲された。新会⻑としての初めての全国少年少⼥⼤会が⼭中湖において開催された機会に、「⼭中湖宣⾔」を発表された。その後毎年、⼤会の開会式で、開催地のジュニアヨットクラブの⼦供たちがこの宣⾔を参加者の前で発表するようになった。1991年9⽉25⽇に社団法⼈⽇本ジュニアヨットクラブ連盟として認可された機会に、この「⼭中湖宣⾔」をジュニアヨットクラブ運動の憲章として「少年ヨット憲章」と称することとした。
⼩澤吉太郎 先⽣ 【経歴】
東京⾼等商船学校(機関科)卒
1932年発⾜の財団法⼈⽇本ヨット協会(現在の公益財団法人日本セーリング連盟の前⾝)の設⽴者の⼀⼈として、理事⻑、副会⻑、会⻑代⾏を歴任。1964年の第18回オリンピック東京⼤会のホストクラブとして江の島ヨットクラブ設⽴に尽⼒され、同クラブの常務理事に就任しました(初代会⻑は内⼭岩太郎 神奈川県知事)。
オリンピックに参加したデンマーク王⽴ロイヤルデニッシュヨットクラブのカイ・ウォルハルト監督から、ヨットが強くなるためには⼦供の頃から始めなければならないと教えられました。監督の帰国後、王⽴ロイヤルデニッシュヨットクラブから七隻のOP級艇が江の島ヨットクラブに寄贈されたので、同クラブにジュニアセクションを創設し⼦供たちへの指導をはじめました。先⽣は、フィン級でオリンピック4連勝のエルブストローム選⼿とも⼤変親しくしておられました。その後、全国でジュニアヨットクラブの活動が広まってきたので、基⾦を提供されて「⽇本少年ヨット連盟」(現在の⼀般社団法⼈⽇本ジュニアヨットクラブ連盟の前⾝)を創設し会⻑に就任しました。
沿革
- 1964年 東京オリンピック開催
その翌年江の島ヨットクラブにジュニアセクションが誕生 - 1974年 JJYUの前身である任意団体「日本少年ヨット連盟」が発足
- 1991年 社団法人 日本ジュニアヨットクラブ連盟発足
- 2021年 一般社団法人として改めて認可を受け活動を継続
1964年 | 東京オリンピック開催 その翌年江の島ヨットクラブにジュニアセクションが誕生 |
1974年 | JJYUの前身である任意団体「日本少年ヨット連盟」が発足 |
1991年 | 社団法人 日本ジュニアヨットクラブ連盟発足 |
2021年 | 一般社団法人として改めて認可を受け活動を継続 |
石原会長ご挨拶
私が始めてヨットに触れたのは小学生の頃。江ノ島ヨットクラブジュニアの二期生として、当時はまだ珍しかったOPに触れ、初めて海に出た日の感動は今も忘れません。当時のOPはまだ木造艇でした。先輩方から「初めてOPが日本に届いた時は、外国の害虫の侵入を防ぐために長期間税関に留められて大変だったんだ。」などと伺ったのも、いまは懐かしい思い出です。
ヨットは自然との闘いです。海は、私たちに多くを教えてくれます。自分の力ではどうしようもない、海という自然に向き合うとき、子供たちは自分の力の限界を知るでしょう。そしてその自然と格闘し、自ら考え、判断し、行動することを繰り返しながら、肉体的にも精神的にも成長して行きます。こうした体験は、ますます不確実性を増す現代に生きていく子供たちにとって貴重な体験であり、健全な精神や豊かな感性を育むうえでもたいへん有意義なことであると思います。そして何よりも、子供たちの安全を確保しながら、全国各地で指導、監督をされている指導者の皆さんのご尽力に深く敬意を表します。
私も及ばずながら会長の制帽をかぶり、北は北海道から南は九州・沖縄まで、間近からジュニアの皆さんの活躍を応援したいと思っています。青い海原の上で、皆さんにお会いできる日を楽しみにしています。そして、皆さんの中から、日本初の金メダリストが出るその日まで、皆さんとともに頑張っていきたいと思います。これからも宜しくお願いします。
⼀般社団法⼈
⽇本ジュニアヨットクラブ連盟
会長 石原伸晃
主な事業
主催競技会
現在、3つの競技会を開催しています。それぞれ特色ある大会で多くのエントリーで賑わっています。
日本ジュニアヨットクラブ競技会
全国の連盟登録ジュニアヨットクラブと海外チームのジュニアセーラー達が一堂に会することにより、国内ジュニアセーラー達が国際感覚を磨きその視野をひろげ、世界レベルの選手に成長する機会となることを期待して開催しています。
OP級初級者クラスの1位には国土交通大臣杯、OP級上級者クラスには文部科学大臣杯が授与されます。
国際親善東京レガッタ
(株)ミキハウス様に特別協賛いただいて開催する歴史ある国際親善レースです。東京都や神奈川県を会場に年1回開催しています。
一般向けのヨット体験イベントを開催したり、ミキハウス所属のオリンピック選手が選手と触れ合うなど、この大会ならではの魅力にあふれています。OP級初級者のレースも開始します。
国際親善大阪レガッタ
特別協賛の(株)ミキハウス様が本社を置く大阪でもミキハウスカップを目指すレースを開催したい、との思いからはじめたこの大会ですが、西日本エリアにJJYUの輪を広げる大切な役割も担っています。東京と同じように、ミキハウス所属のオリンピック選手が子供たちを応援したり、OP級初級者もレースに参加できたり、JJYUならではの楽しい大会です。
主催イベント
ジャンボリー
自然と親しみ大切にする心を養いながら、セーリングだけでなくカヌーやジェットスキーなど様々な水辺のスポーツを楽しむことを目的としたイベントです。泊りがけの共同生活を送ることにより、子どもたちだけでなく保護者やクラブの指導者がクラブの枠を超えて触れ合うことができる楽しいイベントです。
招聘事業
国際交流日本ジュニアヨットクラブ競技会において海外からジュニアセーラーと監督・コーチを招へいして、国内からの参加者との間で交流と親善を図ります。
国際交流日本ジュニアヨットクラブ競技会のクラブ対抗レースの上位3クラブと、東京・大阪それぞれのミキハウスカップにおけるクラブ対抗レース優勝クラブが推薦する選手各1名を、海外セーリング研修に派遣します(渡航費の一部援助)。
指導者の表彰など
小澤イズムの浸透や安全確保を目的に、競技会・イベント等で講習会を開催します。また連盟の表彰規定に基づき、ジュニアセーラーの指導などで活躍している方を表彰、併せて日本セーリング連盟(JSAF)の定期表彰等に推薦します。