社団法人
日本ジュニアヨットクラブ連盟 事務局
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国際交流日本ジュニアヨットクラブ競技会2011 実施報告書
国際部副部長
熊川博
((社)日本ジュニアヨットクラブ連盟事務局長)
はじめに
毎年恒例の8月第一週に行われる国際交流日本ジュニアヨットクラブ競技会2011は、今年は8月5日(金)〜7日(日)に愛知県蒲郡市の海陽ヨットハーバー及びその沖合の海面で、文部科学省、国土交通省、愛知県、蒲郡市、財団法人日本セーリング連盟等の後援と、エスビー食品株式会社、大塚製薬株式会社の協賛を頂いて、社団法人日本ジュニアヨットクラブ連盟と愛知県ヨット連盟、名古屋市ヨット連盟、なごやジュニアヨットクラブとの共同主催にて開催されました。
文部科学大臣杯及び国土交通大臣杯を争奪する国内唯一の大臣杯タイトルレースとクラブ対抗レースを運営し、ジュニアヨットの普及とクラブ同士の親睦そして国際交流を目的に開催する競技会としてプログラムを企画しております。又今年3月に発生した東日本大震災による被害で全てのヨットや備品を流失した東北地方の仲間のジュニアクラブを支援しようと「東日本大震災被災ジュニアヨットクラブ復興支援レガッタ」と称して特別プログラムを準備いたしました。参加は国内クラブ17クラブに海外から韓国、ニュージーランドの2か国を招待し、A海面のOP級上級者30艇、FJ級13艇、シーホッパー級SR12艇、ミニホッパー級5艇、B海面のOP級初級者23艇の選手98名に指導者・保護者、運営役員等の合計約250名の大きな競技会となりました。
今年の夏は各地でレースが多く開催され、参加選手が分散した傾向があり、本競技会は例年より少ない参加クラブ数、選手数でしたが、逆に海外派遣の特別賞をかけたクラブ対抗レースなど受賞チャンスが増えて例年以上に盛り上がった競技会となりました。
平成14年にはこの競技会を宮城県名取市の閖上ヨットハーバーで、松島・名取ジュニアヨットクラブをホストクラブとして、宮城県ヨット連盟のご協力を頂いて開催したことがあり、地元の皆さんには大変お世話になりました。
今回の東日本大震災被災ジュニアヨットクラブ復興支援活動は以下の通りです。
ヨット等物資の支援を各ジュニアクラブに呼びかけたところ、隠岐ジュニアヨットクラブ(代表者中西賢一様)からOP級艇体1艇の寄贈申し出があり競技会本部まで持込んで頂きました。被災の3クラブの代表者が相談していわきジュニアヨットクラブ(代表者大平邦夫様)に贈呈と決まり持ち帰りました。又、横浜ジュニアヨットクラブ(代表者中川二朗様)からエンジン付きレスキュー艇1艇の提供があり、後日運送することになりました。復興支援のメインプログラムである被災ジュニアセーラーへの応援として、宮古ジュニアセーリングクラブの選手5名、指導者・保護者5名、松島・名取ジュニアヨットクラブの選手4名、指導者・保護者4名、いわきジュニアヨットクラブの選手5名・指導者・保護者7名の選手14名、指導者・保護者16名総勢30名を招待して競技会に参加して頂きました。選手全員と指導者各クラブ1名の交通費補助、選手、指導者・保護者全員の宿泊費、食事代、昼食代の全額援助、選手全員のチャーター艇の無料提供を行いました。
震災以降初めてヨットに乗りセーリングしレースをする楽しさを思い出したと喜んで頂きました。ここに正会員並びに登録ジュニアクラブの皆様にご報告とお礼を申し上げます。
親睦と国際交流の目玉プログラムである初日夕方の開会式前の時間を利用して、海外コーチによるワンデイクリニックを実施しました。韓国選手5名とニュージーランド選手5名と一緒に日本の各ジュニアクラブの選手18名がニュージーランドの女性コーチであるナオミ・マナリングコーチの指導を受けました。練習前の英語のブリーフィングで、どのような練習をするのか、練習の目的は何かを英語で通訳なしで説明して頂き,海上練習へと移りました。英語の説明を聞いても練習方法が理解出来ないのではと心配しましたが、何とか子供たちは練習出来ていました。風上に向かってのスタート練習、風下に向かってのスタート練習、最後にコース練習を行い、この中で、風下に向いてのランニングでのスタート練習は日本では行われていない練習方法で、下マークでのオーバーラップによるルームの要求など実戦に沿った練習方法として感心しました。ワンデイクリニックでは生きた英語を体験できた事と思います。ニュージーランドの選手と一緒に写真を撮ってもらう子供達もいました。大成功です。
開会式
レース(A海面)
好天の真夏日となり、6日のレース初日は風待ちでした。前日までは蒲郡の良い風がコンスタントに5m〜8mと入っていたのですが高気圧に覆われた様子でした。熱中症に注意するよう呼びかけて風待ちが続き、昼食後230°の風が入ったので全艇出艇しました。FJ級が13時06分、シーホッパー級SRとミニホッパー級が13時11分、OP級上級者が13時35分に第1レースのスタートをしました。
OP級上級者では、風速3mでしたがトップ艇の所要時間45分と大変ハードなレースを行い昨年優勝者の川戸紅葉選手(夢の島ヨットクラブ)と地元なごやジュニアクラブの村山航大選手の争いで幕開けとなりました。それでも初日は4m〜3mの風の中、3レースが消化出来ました。
7日のレース2日目の最終日も風待ちでのスタートでしたが、クラブ対抗レースの初日のポイントを発表したので、海外派遣の特別賞の行方を選手・保護者が興味津々で見ていました。220°の風が入り、出艇、第4レースはFJ級10時05分、シーホッパー級SRとミニホッパー級10時10分にスタートしましたが、OP級上級者はゼネラルリコールが続き10時22分スタートとなりました。シーホッパー級SRやFJ級と同じコースのためOP級には少し長いコースとなりタフなレース展開でしたが、第5レースを最終レースとして11時35分スタートで最終艇フィニッシュまで所要時間1時間のレースとなり全日程を終了致しました。FJ級は6レース出来ましたが、シーホッパー級SRとミニホッパー級は5レースで終了となりました。
レース(B海面)
B海面で行われたOP級初級者クラスのレースは初日に4レース、2日目の最終日に3レースと予定の全レース消化出来ました。被災ジュニアクラブの選手は全く練習していなかったので宮古ジュニアセーリングクラブの選手は初日の4レースすべてDNFとなってしまいましたが、最終日は慣れてきたのと本人の努力で3レースともフィニッシュすることが出来、充実した笑顔でハーバーに戻ってきていました。
閉会式
社団法人日本ジュニアヨットクラブ連盟では理事会において、少年ヨット憲章「山中湖宣言」の精神をどのように伝えるか議論を重ねてきました。その結果、今回は競技会運営に参加する理事・委員全員に1選手5点満点で3名まで選手を選び閉会式でグッドマナー賞として表彰しようと打ち合わせして競技会に臨みました。その結果、延べ24名の選手が選ばれ、見事に1位になった選手はなごやジュニアヨットクラブの富田堅心君(小5年生)、2位に石川羽咋ジュニアセーリングクラブの岩城海聖君(小4先生)、いわきジュニアヨットクラブ浜松郁美さん(中2年生)が選ばれました。元気で礼儀正しいはつらつとした選手として山中湖宣言を守っている選手として閉会式の時にご褒美の図書券が贈られました。当連盟では24名と多くの選手が選出されていたことにびっくりし各ジュニアクラブの指導者が真剣に選手の育成に努めている事の証しだと大変喜んでおります。
閉会式の成績発表ではメインイベントは国内クラブ対抗レースの発表でした。今年は地元のなごやジュニアヨットクラブが第1位、海外チームを入れてのパン・パシフィックチームレースでもなごやジュニアヨットクラブが第1位とダブル受賞です。特別賞として国内クラブ対抗レースの上位3チームから各1名を海外セーリング研修に派遣する権利を授与しますが、なごやジュニアヨットクラブ、石川羽咋ジュニアセーリングクラブ、いわきジュニアヨットクラブが選ばれました。選手を選ぶのは各クラブの指導者にお任せします。又、関水連主催のタイクリニック海外セーリング研修に7位、10位のクラブの各1名を派遣する権利を授与しますが、YMFSジュニアヨットスクール葉山、富山県ジュニアヨットクラブが選ばれました。海外研修派遣時期はどちらも平成24年3月下旬を予定しております。
個人表彰は、OP級上級者優勝者に授与される文部科学大臣杯及び奥村杯は江の島ヨットクラブジュニアの新谷惟斗選手に、OP級初級者優勝者に授与される国土交通大臣杯及び小澤吉太郎杯はなごやジュニアヨットクラブの玉山義規選手に授与されました。シーホッパー級SR優勝者に授与される海王丸杯はなごやジュニアヨットクラブの石黒武志選手に、ミニホッパー級優勝者に授与されるYMFS理事長杯は山中湖中学校ヨット部の小澤聖人選手に、FJ級優勝者に授与される蒲郡市長賞は地元蒲郡東高等学校ヨット部の横山力哉・田中悠喜両選手が金原蒲郡市長から直々に賞状を受け取りました。
海外選手との国際交流個人賞として、OP級上級者の優勝者は江の島ヨットクラブジュニアの新谷惟人選手、シーホッパー級SRの優勝者はニュ−ジーランドのジョージ・アイアン選手がそれぞれ賞状とゴールドメダルを授与されました。
いわきジュニアヨットクラブ浜松選手のお礼のスピーチ(英語でした)
競技会を終えて
最後になりましたが、海上運営を円滑にかつ完全に実施して頂いた共同主催の愛知県ヨット連盟、名古屋市ヨット連盟、なごやジュニアヨットクラブに対し感謝の意を表するとともに、エスビー食品株式会社様から提供されたカレーや大塚製薬株式会社様から提供されたポカリスエット等のお陰様で、選手が熱中症にならずに無事に競技会を終了させること事が出来ましたことは、協賛、後援頂いた関係各団体及び参加の指導者・保護者の皆さんの御協力の賜と改めて感謝申し上げて報告とさせて頂きます。
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