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文部科学大臣杯・国土交通大臣杯
国際交流日本ジュニアヨットクラブ競技会2006(和倉大会) 実施報告

実行委員会委員長  小野一臣

 本競技会は文部科学省、国土交通省、石川県及び七尾市など多くの団体の後援とスポーツ振興センターの助成を頂いて当連盟並びに石川県セーリング連盟、石川羽咋ジュニアセーリングクラブの共同主催により、8月4日から3日間にわたり石川県七尾市和倉温泉とその沖合い(七尾西湾)において開催しました。

 当地の和倉温泉は開湯1200年を誇る日本海側随一の温泉郷であり、日本を代表する海浜の出湯として永年にわたり親しまれてきたところです。また、この場所は戦後間もない時期に疲弊しきった若者達に勇気と希望を与えるために、比較的食糧事情の良かったこの地に第二回国民体育大会のヨット競技会場が誘致されたという由緒あるところであります。
ここに、全国の加盟ジュニアヨットクラブ23ヶ所から99名のジュニアセーラーとその指導者、保護者143名、海外3ヶ国(ロシア、韓国、ニュ−ジ−ランド)から招待された優秀な選手15名とその指導者5名に運営役員70名が加わって総勢332名が集合して競技会が開かれました。

 初日は同じ地元で開催中のボーイスカートのジャンボリーにご臨席の皇太子殿下ご一行の到着と重なって交通規制がしかれていましたが、あらかじめ対策を講じていたため何の混乱もなく開会式を開くことが出来ました。開会式は地元香島中学校ブラスバンドの演奏する行進曲にあわせての選手入場から始まり、「君が代」の演奏で国旗掲揚が行われ、最後にホストジュニアクラブ石川羽咋ジュニアセーリングクラブの選手達の少年ヨット憲章と力強い選手宣誓で終了しました。その後、選手、保護者全員に対して大塚製薬株式会社の協力により熱中症対策の安全講習会が開かれ、別の会場ではレース委員会による競技運営の説明会が運営役員、クラブ指導者を集めて実施されました。

 その夜の国際交流会では海外チームの自己紹介やホストクラブの石川羽咋ジュニアセーリングクラブとのペナント交換が行われ、各クラブとの交流の輪もあちこちに生まれ国際友好と親善の盛り上がりで時のたつのを忘れるくらいでした。

 翌日からのレースは気象海象に恵まれ、日本海の夏特有の無風状態にあまり悩まされることなく午後からの順風に吹かれて、各級ともほぼ予定通りのレースを消化することが出来ました。レースの詳細については以下の通り上級者のA海面を阪田守昭部長に、初級者のB海面を石倉喜八朗副部長にそのレポートを委ねることにします。

 A海面レース概況               
8月5日
微風の中、午前9時に出艇しその後無風となり海上待機。ようやく吹き出した南西の風を使い、10時50分FJ級よりスタートした。
OP級上級者スタート後風速0.5m/secに落ち、同級は帆走不能のためノーレースとした。
FJ級、シーホッパー級SR、ミニホッパー級、レーザー級もコース短縮を検討したが、時折吹くパフを拾い全艇60分弱で完走した。その後全クラス一旦ハーバーに戻り昼食をとった。
午後1時出艇し吹き始めた東の軽風で各クラス順調にレースを行った。準備信号は全てP旗であったが、リコール艇も全て解消しOCSがいないレベルの高いレースであった。
OP級上級者は5レース(ノーレース1を含む)、その他の級は6レースを消化してレース初日を終了した。
8月6日
8時出艇し 東の風4mの中 FJ級、シーホッパー級SR、ミニホッパー級、レーザー級とも残る1レースを行い終了。
OP級上級者については6レース目より開始し7レース開始前にL旗フラッグのもとノーレースとなった第1レースに代えて第8レースを行う旨通告した。
同級の第7レースは各選手とも上位成績を狙い始めてゼネラルリコールとなった。再スタートはブラックフラッグでスタートするも失格者は無く順調に終了。最終第8レース11時スタートしたがスタート直後に風が60度北方向に大きく振れ、続行はアンフェアと判断しノーレースとした。結局 FJ級、シーホッパー級SR、ミニホッパー級、レーザー級は帆走指示書通り7レース、OP級上級者は6レースで終了した。
 B海面レース概況  
8月5日
皇太子殿下移動に関わる各種規制と微風のため9時を過ぎての出艇。最初の風は南西1m/sec和倉温泉街から吹いてくるため建物の影響を避け、少し沖合にレース海面を取ろうとしたが、陸上本部より「初級は岸辺で」との指示を受けレース海面を移動。その後無風となり1レース目は反対から吹いてきた北東の風を受け、11:15にスタートし、軽風の中4艇がDNFとなった。一旦ハーバーに戻り昼食。午後からは東からの安定した海風が4〜6m/s吹き順調にレースが行われた。上位の3艇に後続艇がついて行く形でレースが繰り返された。その3艇はフリーのコースでもバランス良くアンヒールさせスピードもあるセーリングをしていた。対して午前のレースでDNFとなった艇も1レースごとに上達し、集団の中で走れるようになり皆感動した。午後は結局5レースを行うことができ初日6レースを消化することができた。
8月6日
同じような天気図で快晴。安定した風は10:30を過ぎないと吹いてこないと思っていたが、予想に反してこの日は早くから海風が入り、8:50に最終レースをスタートすることができた。予定されている7レースの内、前日に6レースを終えていたため少し長めのコース設定とした。レース展開は前日とあまり変わらない状況で実力のある選手が後続艇を引っ張る形で行われたが前日ほとんど2位であった選手がトップホーンを鳴らし、笑顔でフィニッシュした。

 本競技会が行われた場所は七尾市から提供のあった休閑地で近い将来「足湯公園」に開発される予定の空地でした。この空地の前面の海はまさにジュニアヨット競技には最適な条件を備えていましたが、当初から問題になっていたのはレース艇を揚降するスロープ及び係留施設が無かったことでした。三度の現場視察と検討を重ねた結果、狭い護岸の切り口に仮設の板敷きとマットを敷いた簡易スロープを仕立て、係留施設としては金沢工業大学のハーバー(穴水)から海上輸送で運んできた15mの浮き桟橋2本を沖に突き出して設置して艇の揚降を行うことにしました。これでもいざ揚降するとなれば人手が要る作業となり、 地元運営役員、クラブの指導者、保護者等の多くの人の手を借りることにより想像以上に円滑に出来ました。

 また、競技会場の整備として艇の陸置場、駐車場、トイレ、給排水、配電、テント設置などの仮設インフラの準備や運航要員を含めての運営艇の手配、そして期間通してのレース運営の役割については七尾市、石川県セーリング連盟、七尾市セーリング協会、B&Gななお海洋センター、金沢大学ヨット部、羽咋工業高校ヨット部、石川羽咋ジュニアセーリングクラブの皆さんの協力があってこそ成し得たことであり、お陰をもちまして競技会は盛大かつ成功裡に終了することが出来ました。ここに心から感謝の意を表します。

 本競技会をこの地で開催した一つの成果として、七尾市の「足湯公園」構想に、新たな要素として親水スポーツの公園化を付加することにより、生涯スポーツとしてのヨットの普及が図られて市民参加の幅を広げることが出来るということは大いに期待するところです。

 閉会式は開会式と同じ和倉温泉観光会館で開かれました。
団体戦のクラブ対抗レースは江の島ジュニアヨットクラブが優勝し、(社)日本ジュニアヨットクラブ連盟会長杯の授与を受けました。
各クラス個人戦は、OP級上級者は埼玉匠海君(中1、江の島JYC)が第1位で文部科学大臣杯、奥村杯を手中に収め、シーホッパー級SRでは上位3位までを外国選手に占められたが国内の第1位になった中村光希君(高1、湘南サニーサイドJYC)が国土交通大臣杯、海王丸杯を獲得しました。
OP級初級者は全レース1位か2位に入った宮前圭佑君(中1、宮津JYC)がトップで七尾市長杯、小澤吉太郎杯を手にし、ミニホッパ−級も優秀な成績の高村卓弥君(中3、山中湖中学校ヨット部)が第1位でJMPF会長杯を獲得しました。
レーザー級は中田光一君(高2、KMC横浜JYC)が第1位で表彰され、FJ級は地元羽咋工業高校ヨット部内の対戦となり第1位になった高柳・高橋組が石川県セーリング連盟会長杯を授与されました。
海外選手には特別協賛のアビームコンサルティング(株)から各参加種目の上位3位まで国際交流杯のアビームカップが授与されました。
OP級上級者では第1位テイラー・バーン君(NZL)、第2位ナオミ・マネーリングさん(NZL)、第3位レクシア・ラングレイさん(NZL)、シーホッパー級SRでは第1位ベン・グッドウイン君(NZL)、第2位ナウメンコ・デニス君(RUS)、第3位チェルシー・ウイットバーンさん(NZL)にそれぞれ渡されました。

 閉会式のクライマックス、国旗降納には竹下勇二氏(アビームコンサルティング株式会社)の作詞作曲による新しい歌「ジュニアセーラーの歌」が流れ、国旗を見納めるジュニア達の表情にはこの競技会で実力を十二分に発揮できたという満足感が漲っているように見えました。

 最後になりましたが、本競技会に後援を頂いた文部科学省、国土交通省、石川県、七尾市などの数多くの団体、助成をいただいたスポーツ振興センター、並びに特別協賛を頂いたアビームコンサルティング株式会社、他に協賛を頂いた大塚製薬株式会社、ヱスビー食品株式会社、第一製薬株式会社等にあらためてお礼申しあげます。

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