社団法人
日本ジュニアヨットクラブ連盟 事務局
〒251-0038
神奈川県藤沢市鵠沼松が岡3-16-13
TEL:046-690-3617
FAX:046-690-3618
E-mail:info@jjyu.net
文部科学大臣杯・国土交通大臣杯
国際交流日本ジュニアヨットクラブ競技会2006(和倉大会) 実施報告
実行委員会委員長 小野一臣
本競技会は文部科学省、国土交通省、石川県及び七尾市など多くの団体の後援とスポーツ振興センターの助成を頂いて当連盟並びに石川県セーリング連盟、石川羽咋ジュニアセーリングクラブの共同主催により、8月4日から3日間にわたり石川県七尾市和倉温泉とその沖合い(七尾西湾)において開催しました。
当地の和倉温泉は開湯1200年を誇る日本海側随一の温泉郷であり、日本を代表する海浜の出湯として永年にわたり親しまれてきたところです。また、この場所は戦後間もない時期に疲弊しきった若者達に勇気と希望を与えるために、比較的食糧事情の良かったこの地に第二回国民体育大会のヨット競技会場が誘致されたという由緒あるところであります。
ここに、全国の加盟ジュニアヨットクラブ23ヶ所から99名のジュニアセーラーとその指導者、保護者143名、海外3ヶ国(ロシア、韓国、ニュ−ジ−ランド)から招待された優秀な選手15名とその指導者5名に運営役員70名が加わって総勢332名が集合して競技会が開かれました。
初日は同じ地元で開催中のボーイスカートのジャンボリーにご臨席の皇太子殿下ご一行の到着と重なって交通規制がしかれていましたが、あらかじめ対策を講じていたため何の混乱もなく開会式を開くことが出来ました。開会式は地元香島中学校ブラスバンドの演奏する行進曲にあわせての選手入場から始まり、「君が代」の演奏で国旗掲揚が行われ、最後にホストジュニアクラブ石川羽咋ジュニアセーリングクラブの選手達の少年ヨット憲章と力強い選手宣誓で終了しました。その後、選手、保護者全員に対して大塚製薬株式会社の協力により熱中症対策の安全講習会が開かれ、別の会場ではレース委員会による競技運営の説明会が運営役員、クラブ指導者を集めて実施されました。
その夜の国際交流会では海外チームの自己紹介やホストクラブの石川羽咋ジュニアセーリングクラブとのペナント交換が行われ、各クラブとの交流の輪もあちこちに生まれ国際友好と親善の盛り上がりで時のたつのを忘れるくらいでした。
翌日からのレースは気象海象に恵まれ、日本海の夏特有の無風状態にあまり悩まされることなく午後からの順風に吹かれて、各級ともほぼ予定通りのレースを消化することが出来ました。レースの詳細については以下の通り上級者のA海面を阪田守昭部長に、初級者のB海面を石倉喜八朗副部長にそのレポートを委ねることにします。
A海面レース概況本競技会が行われた場所は七尾市から提供のあった休閑地で近い将来「足湯公園」に開発される予定の空地でした。この空地の前面の海はまさにジュニアヨット競技には最適な条件を備えていましたが、当初から問題になっていたのはレース艇を揚降するスロープ及び係留施設が無かったことでした。三度の現場視察と検討を重ねた結果、狭い護岸の切り口に仮設の板敷きとマットを敷いた簡易スロープを仕立て、係留施設としては金沢工業大学のハーバー(穴水)から海上輸送で運んできた15mの浮き桟橋2本を沖に突き出して設置して艇の揚降を行うことにしました。これでもいざ揚降するとなれば人手が要る作業となり、 地元運営役員、クラブの指導者、保護者等の多くの人の手を借りることにより想像以上に円滑に出来ました。
また、競技会場の整備として艇の陸置場、駐車場、トイレ、給排水、配電、テント設置などの仮設インフラの準備や運航要員を含めての運営艇の手配、そして期間通してのレース運営の役割については七尾市、石川県セーリング連盟、七尾市セーリング協会、B&Gななお海洋センター、金沢大学ヨット部、羽咋工業高校ヨット部、石川羽咋ジュニアセーリングクラブの皆さんの協力があってこそ成し得たことであり、お陰をもちまして競技会は盛大かつ成功裡に終了することが出来ました。ここに心から感謝の意を表します。
本競技会をこの地で開催した一つの成果として、七尾市の「足湯公園」構想に、新たな要素として親水スポーツの公園化を付加することにより、生涯スポーツとしてのヨットの普及が図られて市民参加の幅を広げることが出来るということは大いに期待するところです。
閉会式は開会式と同じ和倉温泉観光会館で開かれました。
団体戦のクラブ対抗レースは江の島ジュニアヨットクラブが優勝し、(社)日本ジュニアヨットクラブ連盟会長杯の授与を受けました。
各クラス個人戦は、OP級上級者は埼玉匠海君(中1、江の島JYC)が第1位で文部科学大臣杯、奥村杯を手中に収め、シーホッパー級SRでは上位3位までを外国選手に占められたが国内の第1位になった中村光希君(高1、湘南サニーサイドJYC)が国土交通大臣杯、海王丸杯を獲得しました。
OP級初級者は全レース1位か2位に入った宮前圭佑君(中1、宮津JYC)がトップで七尾市長杯、小澤吉太郎杯を手にし、ミニホッパ−級も優秀な成績の高村卓弥君(中3、山中湖中学校ヨット部)が第1位でJMPF会長杯を獲得しました。
レーザー級は中田光一君(高2、KMC横浜JYC)が第1位で表彰され、FJ級は地元羽咋工業高校ヨット部内の対戦となり第1位になった高柳・高橋組が石川県セーリング連盟会長杯を授与されました。
海外選手には特別協賛のアビームコンサルティング(株)から各参加種目の上位3位まで国際交流杯のアビームカップが授与されました。
OP級上級者では第1位テイラー・バーン君(NZL)、第2位ナオミ・マネーリングさん(NZL)、第3位レクシア・ラングレイさん(NZL)、シーホッパー級SRでは第1位ベン・グッドウイン君(NZL)、第2位ナウメンコ・デニス君(RUS)、第3位チェルシー・ウイットバーンさん(NZL)にそれぞれ渡されました。
閉会式のクライマックス、国旗降納には竹下勇二氏(アビームコンサルティング株式会社)の作詞作曲による新しい歌「ジュニアセーラーの歌」が流れ、国旗を見納めるジュニア達の表情にはこの競技会で実力を十二分に発揮できたという満足感が漲っているように見えました。
最後になりましたが、本競技会に後援を頂いた文部科学省、国土交通省、石川県、七尾市などの数多くの団体、助成をいただいたスポーツ振興センター、並びに特別協賛を頂いたアビームコンサルティング株式会社、他に協賛を頂いた大塚製薬株式会社、ヱスビー食品株式会社、第一製薬株式会社等にあらためてお礼申しあげます。
Japan Junior Yacht Club Union ALL RIGHTS RESERVED